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養育費の時効

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養育費の時効

養育費の時効

2024/10/01

 養育費は、離婚や別居に伴い子どもに必要な経済的支援を意味しますが、養育費の請求権には時効が存在します。この時効についての理解は、養育費を受け取る側、支払う側の両者にとって極めて重要です。当ブログでは、養育費の時効に関する法律や実務的な側面を詳しく解説します。時効が成立する期間や、請求権を守るための方法、また、どのような条件で時効が中断するのか等、具体的な情報を提供し、養育費に関する正しい知識を深めていただける内容にします。法的なトラブルを避け、適切なトラブル解決を図るために、ぜひお役立てください。

目次

    ◆養育費の時効とは?その基本を学ぼう◆

     養育費の請求権について、協議による養育費の取り決めがある場合は、支払期限が過ぎても支払われていない養育費は、5年の消滅時効にかかります。また、家庭裁判所の調停や審判、離婚訴訟などの裁判手続きで養育費を取り決めた場合には、未払いの養育費は、10年の消滅時効にかかり、協議による場合に比べて時効期間が長くなります。そして、離婚に際して養育費の取り決めをしていない場合は、養育費の請求権が時効で消滅することはありませんが、取り決めがない場合は、養育費の請求権の発生時期や請求時期に関して問題が生じることがあるため、過去の未払いを請求することができない可能性がありますので、その点は注意が必要です。養育費の時効に関する知識を深めることで、トラブルを避け、より良い解決策を見つける助けとなります。

    ◆離婚後の養育費、時効がもたらす影響◆

     養育費とは、夫婦間の未成熟の子を育てるために必要となる費用のことです。離婚後に親権者とならなかった配偶者も法律上、親子関係は継続し、未成熟の子に対する養育費の支払い義務があります(民法第766条)。そのため、将来発生する養育費は、基本的に子供が成人するまでの間は時効は問題とならず、養育費の請求をすることができます。なお、養育費の支払い期間は合意により子供が大学を卒業するまでと期間を延長することもできます。また、離婚後に親権者とならなかった配偶者が養育費を1円も支払っていなかった場合は、過去の未払いの養育費を請求することができるのかという問題があります。この点、養育費は未成熟の子の生活に必要なお金であり、今まで請求していないということは、元配偶者からの養育費をもらっていなくても生活できていたはずだとの家庭裁判所の審判例があり、原則的には未払いの養育費を請求することは認められないと考えられます。一方で、未成熟の子の生活状況や、元配偶者の経済状況、親権者の経済状況などにより、過去の未払いの養育費の請求が認められた場合もあります。そして、協議により元配偶者が合意すれば、過去の未払いの養育費を支払ってもらうことができますので、一度協議をしてみることをお勧めします。過去の未払いの養育を請求する場合は、手続きが複雑な場合もあるため、専門家に相談して助力してもらうことも必要な場合があります。正しい知識をもって、養育費の請求権を守っていきましょう。

    ◆時効が更新される条件とは?◆

     養育費の消滅時効の成立が間近に迫っている時に、何も対応しなければそのまま消滅時効が成立するため、過去の養育を請求することができなくなってしまいます。この時効の進行を更新させるための手段は次のとおりです。

    ①裁判上の請求

     例:養育費分担調停の申立て

    ②差押え、仮差押え又は仮処分

     例:養育費の支払い義務者に対する強制執行(給与差押など)

    ③承認

     例:養育費の支払い義務者が、その養育費の支払い義務を認める(合意書、誓約書など)

     なお、上記以外に「催告」という手段を使えば、6ヶ月の間は時効が中断されます。しかし、この6ヶ月以内に、上記①や②等の対応を進めなければ、時効更新の効力が生じません(民法153条)。また、養育費の支払いが約定通り、継続的に行われている場合、その間は時効が進行しません。もし、養育費が支払われなくなった場合は、元配偶者に対する養育費の請求権を守るために、何らかの対応を起こすことが重要です。上記対応には専門的な知識が必要な場合もあるため、上記対応をする場合は、事前に専門家に法的なアドバイスを受けることをお勧めします。

    ◆養育費請求権を守るための具体的な手段◆

     養育費請求権を守り、その請求権を適切に行使するためのポイントは次のとおりです。

    (1)法的に有効な合意書を作成する

     養育費の取り決めをしていない場合、時効は問題となりませんが、過去の分まで遡って請求するのは難しくなります。また、養育費の取り決めをした後に、不払いがあれば5年または10年で消滅時効が成立してしまいます。最初から法的に有効な合意書を作成しておけば、上記のようなことがあった場合でも、適切に対応して養育費の請求権を守ることができます。

    (2)消滅時効を更新する

     先ほども説明したとおり、消滅時効の成立が迫っている場合は、時効を更新するための措置をする必要があります。どのような手段により更新すればいいのかの判断に迷ったり、どのような手段で進めたらいいのかが分からない場合は、専門家へ相談しましょう。

    (3)消滅時効が成立した場合でも養育費を請求できる場合がある

     時効期間の満了により消滅時効が成立するため、請求はできないのではないかと考えてしまいます。しかし、時効により養育費請求権を消滅するためには、養育費の支払い義務者である元配偶者が請求者に対して時効を援用する必要があります。この援用をせずに、例えば請求に応じて養育費を支払った場合は、時効期間が更新されます。

     養育費の支払いがないと、未成熟の子の生活が苦しくなる場合が多くあると思います。養育費の支払いが遅れたり、止まったりした場合は、泣き寝入りせずに専門家に相談して問題の解決を進めていきましょう。

     時効に関するお悩みは当事務所へご相談ください。ご連絡をお待ちしております。

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