クーリングオフは自動車の購入や売却に利用できる?
2024/09/19
クーリングオフ制度は、契約の申込み後や契約締結後でも、一定の期間内であれば無条件に契約を解除できる制度です。しかし、クーリングオフ制度の適用範囲や手続きについては、法律上、一定の範囲に限られており、多くの人がその制度の利用について誤解しています。本ブログでは、クーリングオフ制度の基礎知識、自動車の購入や売却にクーリングオフを利用できるのかを解説します。自動車の購入を検討している方や、既に購入後のトラブルに直面している方にとって、知っておくべきクーリングオフ制度について掘り下げていきます。正しい理解を持つことで、安心して自動車購入に臨むことができるでしょう。
目次
◎クーリングオフ制度の基礎知識◎
クーリングオフ制度は、契約の申込み後や契約締結後でも、一定の期間内であれば無条件に契約を解除できる制度です。特定商取引法の中で、クーリングオフが利用できる取引と期間が定められており、具体的な取引は次のとおりです。
①利用できる期間:8日間→「訪問販売」「電話勧誘販売」「特定継続的役務提供」「訪問購入」
②利用できる期間:20日間→「連鎖販売取引」「業務提供誘引販売取引」
また、クーリングオフの手続きは「はがき」等による書面、又は、「電磁的記録(メール・FAX)」により行います。クーリングオフは全ての手続きに利用できると思われがちですが、全ての取引が含まれるわけではありませんのでご注意ください。
◎自動車の購入や売却へのクーリングオフの適用◎
自動車の購入や売却に関しては、残念ながら、クーリングオフの適用がないため、クーリングオフによる解約をすることができません。これは、訪問販売や電話勧誘販売など、特定商取引法に定められた取引とは違い、車の購入や売却の場合は、自分の意思で店舗に行って、購入する車の状態などを確認したり、売却しようとする自動車の査定をしてもらったりと、購入や売却に対する強い意志があると考えられることが、クーリングオフを利用できない理由です。
◎自動車の購入や売却を止めたい場合◎
さまざまな事情により購入や売却を契約後に止めたい場合があります。その場合はクーリングオフではなく、契約自体を解約もしくはキャンセルすることになります。契約直後であれば、自動車店で販売した自動車の発注や買取をした自動車の売却がされておらず、キャンセルすることができる可能性は高くなります。しかし、契約後、時間が経過すると自動車の発注が完了して取消しができなかったり、売却した自動車に買い手が現れたため、売却を取り消すことができなくなったりすることが生じるため、キャンセル自体ができない可能性が発生します。また、キャンセルができたとしても、自動車店に損害が生じている場合は、キャンセル料や違約金を請求される可能性もあります。自動車の購入や売却後は契約をキャンセルできない場合があるため、契約する前に伸長に検討することが大事です。
◎自動車の購入や売却をするときのポイント◎
(1)契約内容を確認する
契約する前に契約内容を確認することが重要です。契約内容は自動車店によって異なっているだけではなく、キャンセル規定が契約書に記載されているため、万が一に備えてキャンセルに関する期間や方法などを事前に把握しておくと、未然にトラブルを防ぐことができます。なお、契約が確定すると、原則的に購入者や売却者の都合による契約の解除ができなくなる場合がありますのでご注意ください。
(2)キャンセル料や違約金を確認する
契約書にキャンセルや契約解除の記載があった場合でも、契約をキャンセルや解除すると、キャンセル料や違約金を請求される場合があります。ただ、あまりにも高額なキャンセル料や違約金を請求された時は、消費者契約法によりこの請求を拒否できる可能性があります。もし、高額なキャンセル料や違約金を請求された場合は、消費者センターや行政書士、弁護士などの専門家に相談しましょう。
(3)キャンセルする時は早めに連絡する
急な事情により契約を解除しなければならなくなった時は、できるだけ早めに自動車店に連絡してキャンセルを伝えましょう。早めに連絡することにより、販売や売却の手続きを進める前にキャンセルとなり、キャンセル料や違約金が発生せずにキャンセルできる可能性があります。
(4)契約は慎重に進めていく
自動車の購入や売却は高額なお金が動きます。また、自動車の購入には、購入代金だけではなく、その後の維持費やガソリン代、保険料等が発生します。売却の際にも他の移動手段等の確認が必要になる場合もあります。そのため、自動車の購入や売却には家族とも相談しながら慎重に検討を進めていく必要があります。安易に買う約束をしたり、契約書を取り交わしたりすると、後でトラブルになることもあります。
◎安心して契約手続きを進めていくために◎
自動車の購入や売却にはクーリングオフを利用することはできません。また、契約書の取交し後は購入や売却をキャンセルできない場合があります。お互いの話し合いにより、キャンセル料や違約金を支払って契約をキャンセルや解除できる場合があります。しかし、契約書の取交し後にキャンセルや解約をするためには、かなりの時間と労力がかかりますので、契約前に契約内容や契約書をきちんと確認して、万が一のトラブルに備えていきましょう。そして、もしもトラブルが発生した場合は、行政書士などの専門家に相談することをお勧めします。
クーリングオフのお悩みは当事務所へご相談ください。
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