建設キャリアアップシステムにより育成する人材
2024/10/02
人材育成は、競争力を高めるための重要な要素です。近年、国土交通省の推進により建設キャリアアップシステム(CCUS)が導入され、労働者のスキルや経験を可視化し、適切なキャリアパスを提供する仕組みが強化されています。この制度は、業界のニーズに合わせた専門技術者の育成を促進するとともに、建設業界全体の人材の質を向上させることを目的としています。このシステムにおける行政書士としての役割は、当該システムの導入による法令遵守や手続きのサポートを行うことで、円滑な人材育成を実現することに寄与しています。本ブログでは、建設キャリアアップシステムの重要性やその具体的な活用方法を探求していきます。建設業界の未来を担う人材を育てるための考え方や実践例を共有し、皆様の知識の一助となれば幸いです。
目次
【建設業界の人材育成が変わる: 建設キャリアアップシステムの導入】
【建設キャリアアップシステムの申請方法】
(1)事業者による申請
技能者が所属する事業所の情報を事業者がシステムに登録します。
(2)技能者による申請
事業所に所属する技能者がシステムに登録し、その後、先ほど事業者が登録した情報と関連付けをします。
※申請方法はインターネット、郵送、窓口の3つの方法から選択し、申請に必要な情報を登録します。
※代行申請も可能です。
(3)各ID・カード発行
事業者と技能者のそれぞれにIDが発行され、技能者にはキャリアアップカードが発行されます。
(4)元請事業者による現場情報や施工体制の登録
元請事業者は工事が決まったら工事概要等の情報をシステムに登録します。
(5)ICカードリーダーの設置
元請事業者が工事現場にICカードリーダー等の読取りデバイスを設置します。
(6)技能者によるICカードリーダー等へのタッチ
工事現場で働く技能者がキャリアアップカードをICカードリーダー等の読取りデバイスへタッチすることにより、結果として就業履歴情報がシステムに蓄積されていきます。
【建設キャリアアップシステムを利用するメリット】
○技能者に対する処遇改善
建設キャリアアップシステムは、技能者の処遇改善を目的に作られた仕組みのため、このシステムを利用することにより、自身のキャリアやレベルに応じた賃金の上昇や処遇改善を進めていくことができます。また、このシステムにより技能者のキャリアをはっきりと確認できるようになるため、転職に活用することができます。
○施工主・取引先・技能者等へアピールに繋がる
建設キャリアアップシステムを導入することにより、就業環境を整えていることを元請事業者や取引先等にアピールすることができます。また、技能者に対しても同様に就業環境が整っていることをアピールできるため、今までもより人材が確保しやすくなる可能性があります。
○事務作業の効率化による負担の軽減
建設キャリアアップシステムを導入した結果、ICカードにより勤怠管理ができるようになる上、工事完了後の入退場情報の記録が確認できるなど、事業者の業務効率化による業務負担軽減が期待できます。また、建設業退職金共済事業本部との連動が進むことにより、退職金に関わる事務作業が効率化されることも期待できます。
【建設キャリアアップシステムによるスキルと経験の可視化】
建設キャリアアップシステムを導入することにより、技能者のスキルや経験が明確に可視化されると共に、専門技術者の育成の促進や、建設業界全体における人材の質の向上にも繋がっていきます。建設キャリアアップシステムを駆使して、持続可能な人材育成を進め、未来の建設業を支える人材を育てることが重要です。これらの施策は、個々の事業者や技能者の成長だけでなく、業界全体の質を向上させることが期待できます。
建設キャリアアップシステムの導入を検討される際は当事務所へご相談ください。