行政書士おおとり事務所

建設業許可取得後に個人事業主から法人化する場合

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建設業許可取得後に個人事業主から法人化する場合

建設業許可取得後に個人事業主から法人化する場合

2024/10/09

 建設業許可取得後に、税制面のメリットを考慮して、個人事業主から法人化を進める場合もあります。本ブログでは、個人事業主から法人化する際の建設業許可の手続きに関する流れや注意すべきポイントについて詳しく解説します。これから法人化を検討している方や、既に法人化したが許可取得に悩んでいる方にとって、有益な情報を提供することを目指しています。ぜひ、今後のパートナーシップを築く一助となれば幸いです。

目次

    【信頼性向上!法人化による建設業のメリット】

     個人事業主から法人化することは、事業のさらなる成長を目指すうえで重要です。法人化により、事業の信用性が向上し、顧客からの信頼も獲得しやすくなります。また、法人にすることで、様々なメリットが発生します。

    ○個人事業主よりも節税の効果が大きい。

     個人事業の場合、所得税が課税され、最高税率は45%です。一方、法人化すると所得税ではなく法人税が課税され、税率は15~20%になることが多いです。また、法人化により給与を受け取ることになるので、この給与所得に対して給与所得控除を受けることができます。

    ○社会的な信用性が高まる。

     個人事業から法人化することにより、社会的な信用性が高まります。個人事業を開業する際は、細かい手続きは不要ですが、法人化する場合は、法律等により設立し、運営する必要があり、取引先の信用度が個人事業主よりも高くなります。

    ○個人の財産と事業の財産を分離できる。

     個人事業の場合、損失や借金があれば、事業主が全て負担しなければなりません。一方、法人化することにより、事業主と法人の資産が分離され、法人の損失や借金等を個人の財産で負担する必要がなくなります。その結果、万が一、事業が失敗した場合でも、法人に出資をした財産を失うだけで、個人の財産まで失うことはなくなります。

    【法人化する場合の建設業の許可申請手続き】

     個人事業主から法人化する場合、建設業の許可申請をする方法は次のいずれかの方法になります。

    ○個人事業の廃業届を提出後、新規に新設法人の建設業許可申請を行う方法

    ○法人へ事業承継して許可を引き継ぐ方法

     2020年の建設業法の改正以前は、個人事業により受けていた建設業許可は法人化しても承継することはできませんでした。そのため、法人化する場合は、個人事業の開業届を提出して、新たに設立した法人により改めて建設業許可を取得する必要がありました。この場合、個人事業の廃業から法人の建設業許可まで無許可期間が生じることになり、建設業許可が必要になる500万円以上の工事の請負ができなくなることがありました。この問題を解決するため、2020年の建設業法の改正により個人事業から法人化した場合に、一定の要件を満たせば、新たに設立した法人に建設業許可を承継できるようになりました。

     

     

    【法人へ事業承継して許可を引き継ぐ場合の申請手続き】

     2020年の建設業法の改正により新設された建設業許可の承継を進めるための具体的な申請方法を解説します。

    (1)許可行政庁による事前認可

     個人事業から法人へ建設業許可を承継するためには、承継する前に許可行政庁と打合せをして認可を受ける必要があります。この認可申請手続きは、建設業許可を承継するまでに手続きを完了して認可を受けていなければならず、承継した後には遡って認可されることはありません。申請期間や手続きは許可行政庁により異なるため、事前に確認しておくことが重要です。

    (2)法人の許可要件の確認

     承継する法人において、次の許可要件を満たしているかを事前に確認しておく必要があります。

    ・建設業にかかる経営業務の適正な経営体制

    ・営業所に対する専任技術者の配置

    ・請負契約に関して誠実に対応し、不正または不誠実な行為をしないこと

    ・一定の財産的基礎

    ・欠格要件に該当していないこと

    (3)必要書類の準備

     個人事業から法人へ建設業許可を承継するために、

    ①認可申請書の正本・副本各1部

    ②営業所の一覧表

    ③役員等の一覧表

    ④専任技術者の一覧表

    ⑤工事経歴書

    などの書類を準備します。提出する書類は新規許可の申請と同じような書類があり、多くの書類を準備する必要があります。

    (4)建設業許可の全てを承継すること

     個人事業の際に許可を受けていた建設業の業種は、全て法人に承継させる必要があります。例えば、個人事業では土木工事、管工事、内装工事を取り扱っていた場合、この全ての業種を設立した法人に承継する必要があり、一部の業種のみを承継させることは認められません。承継しない業種がある場合は、認可申請の前に承継しない業種を廃業し、残った全ての業種を承継することになります。

    【申請手続きを円滑に進める方法】

     個人事業から法人化する場合、通常の建設業許可と同じように、収集や作成する書類の数が多く、事前の認可申請を進めていく必要があります。また、法人化するためには建設業許可の承継以外にも定款の作成などの設立手続きを進めていかないといけないため、本業の合間に自分でやろうとするとかなりの時間と労力が必要になってきます。そのため、法人化に関する手続きは、専門の行政書士へ依頼することをお勧めします。行政書士に依頼することにより、申請から承継までのスケジュール管理や必要書類の取りまとめ、作成までも任せることができるため、本業に専念しながら法人化への手続きを進めることができます。

     建設業許可に関するお悩みは当事務所へご相談ください。

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